NISA口座では運用益が非課税であることからNISAの方が良いと考えている方も多いかと思いますが、注意点もありますのでご紹介します!
NISAって良く聞きますが、実際はどのようなものなのですか!?
NISAを利用する場合のメリット・デメリット、NISA利用時の注意点について解説しますね!
<目次>
NISAと課税口座の違い
そもそもNISAには、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAとありますが、まずは、課税口座との違いを解説します!NISA以外で株式等の売買を行う場合には課税口座を利用します。また、NISAを利用する場合にも総合口座として課税口座は必要となります。
NISA | 課税口座 | |
税金 | 上限額まで非課税 | 20.315%課税 |
損失が出た時 | 課税口座との損益通算ができない | すべての課税口座との損益通算ができる。また3年間繰り越し可能 |
商品種類 | 少ない | 証券会社により異なりますが、すべての商品が対象となります |
NISA口座開設時には課税口座も作成されるので、
用途に合わせて使い分ければいいですし、課税口座は利用しなくても問題ありません!
そもそも損益通算とは!?
確定申告時に特定の所得で発生した「損失」をその他所得で発生した「利益」から差し引くことで税金を安くしてくれる制度です。投資では譲渡所得(売却時)・配当所得(株式投資信託の分配金)・利子所得(公社債投資信託の分配金)が発生しますが、これらの間で損益通算が可能です。さらに特定口座・源泉徴収ありとして課税口座を開設していれば金融機関で損益通算して税金を支払ってくれます!NISA口座は損益通算が不可ですので、NISA口座と課税口座間の損益通算は不可ですね。
NISAのメリット:税金
NISAの種類によって上限額が異なりますが、決められた上限額までは運用益が非課税となります。通常、課税口座では20.315%税金がかかるため、NISAの最大のメリットと言えるかと思います。
譲渡益が10万円の場合、NISAでは0円、課税口座では20,315円税金がかかります。。
NISAのデメリット:損益通算ができない
NISAのメリットとしては上限額までは運用益が非課税ですが、その反面、損失についても考慮されない(損益通算ができない)ことがデメリットとなります。
課税口座では100万円の売却益と200万円の売却損が出た時、「損益通算」され、100-200=-100万円となり、売却益がないため税金もなくなります。さらに3年間残りの100万円の損失が繰り越せます。課税口座で100万円の売却益、NISA口座で200万円の売却損がでた場合には損益通算ができず、NISA口座で損失があるにも関わらず、課税口座での売却益100万円に対して約20%の税金がかかります。。
→頻繁に取引をする方にはデメリットですが、安定した商品をベースにしている方にはそれほどデメリットではないかと思います。
また、NISA口座と課税口座は↓のように目的別に使い分けるのもありかと思います。
NISA | 課税口座 |
増減が少なく安定した商品 (インデックスや分散投資等) →損失が出にくい商品を選択 |
増減が大きく値上がり益が期待できる商品 (アクティブや新興国株式・債券等) →損失が出ても損益通算が可能なため、利益重視で商品を選択 |
NISAの種類
現在、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAとありますが、その概要は↓となります。
2024年以降は新しいNISAとつみたてNISAのみとなります。
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA※2 | |
対象者※1 | 日本在住の20歳以上 | 日本在住の20歳以上 | 日本在住の19歳以下 |
投資対象 | 株式・投資信託等 | 投資信託 | 株式・投資信託等 |
非課税対象 | 譲渡益、配当金、分配金 | 譲渡益、分配金 | 譲渡益、配当金、分配金 |
非課税枠 | 毎年120万円 | 毎年40万円 | 毎年80万円 |
非課税期間 | 最長5年 | 最長20年 | 最長5年 |
投資可能期間 | 2014~2023年 | 2018~2042年 | 2016~2023年 |
損益通算 | 不可 | 不可 | 不可(課税未成年者口座内で生じた損失分は可) |
特徴 | 2024年以降は新しいNISAとなります | 長期の積立・分散投資に適した厳選された商品 →販売手数料は0円、信託報酬も一定水準以下等※3 |
18歳までは払い出し制限あり。2024年以降はいつでも可、ただし新規投資は不可。 |
※1:成年年齢の引き下げに伴い、2023年以降はNISA・つみたてNISAが18歳以上、ジュニアNISAが0歳~17歳の方が対象となります。
※2:3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払出しができません。2024年以降には、保有している株式・投資信託等および金銭の全額について、年齢にかかわらず、災害等やむを得ない事由によらない場合でも、非課税での払出しが可能です。
※3:2022/3/31時点ではインデックス:181本、アクティブ:23本、ETF:7本。金融機関が取り扱う商品はこれ以下となります。
1人当たり1口座しか作成できません。
つまり一般NISAとつみたてNISAの併用はできませんので、
どちらかを選択する必要があります!
注意点①:課税口座からの移行
課税口座(一般口座や特定口座)で買い付けた株や投資信託を、後からNISA口座に移すことはできません。運用益が非課税のNISA口座のみとしたい場合には課税口座にていったん売却後にNISA口座で新規購入する必要があります。
注意点②:投資可能期間終了後
100万円をNISAに投資してNISA期間終了時に90万円となり、課税口座に移された後、110万円に増加したから売却する場合、100万円からの増加分ではなく、課税口座に移された時点の90万円からの増加分(20万円)が税金の対象となります。逆にNISA期間終了時に110万円となり、課税口座に移された後、110万円のまま売却する場合、運用益なしと判断されます。
こうしたNISAの特徴を分かった上で始めると後々焦らないですみますね!
→良くも悪くも「課税口座への移行」時の金額がベースとなります
NISAは期間が決まっており、その期間内に値上がりせず、値下がり状態で期間が終わるリスクがあります。
注意点③:NISA解約時
NISA口座は1人1口座です。また金融機関を変更する場合には変更手続きをすれば可能ですが、翌年から利用できます。2022年4月にA金融機関からB金融機関に変更する場合、B金融機関では2023年1月から利用開始となります(変更手続きは2022年10月以降に実施可能です)
金融機関によって信託報酬等が異なりますので、変更しようと考える方がいると思いますが、上記のとおり、1~12月の1年単位となるため、変更は10月以降がオススメです!
変更(A金融機関の解約)手続きをするとA・B両方の金融機関でNISA口座が利用できなくなるためです!