投資信託を始めた方が最初に良く聞き、何のことか良く分からないものの1つが「インデックスファンド」と「アクティブファンド」ではないでしょうか?私もその1人でしたので、初心者向けに違いとそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します!
<目次>
そもそもインデックスファンドとアクティブファンドとは?
まず、そもそもどのようなものなのかを簡単にご説明します!
何れも投資信託の種類のことです。ファンドは投資信託と同じ意味と捉えてもらえれば問題ありません。個人が分散投資のため、各国の株式・債券・不動産を選び、動向を見ながら売買するのはサラリーマン家庭には難しいです。そこで、運用のプロにすべてを任せる事が「信じて託す」投資信託です!投資信託1つを選ぶだけでも簡単に分散投資ができます!
そもそも投資信託(ファンド)って何ですか!?
投資信託(ファンド)は投資家から集めた資金で
運用の専門家が株式・債券・不動産等に投資する金融商品です!
運用実績に応じて分配金や投資信託自体の値上がりが期待できます!初心者にはオススメです!
インデックスファンドとは?
インデックスファンドは、ファンドの価格の値動きが、「特定の指数に連動」するように設計・運用されている投資信託のことです。
特定の指数とは、日経平均株価や米国の株価指数(S&P500)などを指します。
※S&P500指数:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している株価指数(米国の代表的な株価指数の1つ)です。市場規模、流動性、業種等を勘案して選ばれたニューヨーク証券取引所等に上場および登録されている500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したもの。業績が悪ければ対象外となり、良ければ対象に加えられたり銘柄自体は多少変更されます。
日経平均株価に連動するように設計されているインデックスファンドの場合、日経平均株価が前日に比べて1%上昇したら、ファンドの価格(投資信託では基準価額と呼びます)も前日に比べて1%上昇します。反対に、日経平均株価が前日に比べて1%下落すれば、ファンドの価格も1%下落します。
あくまで機械的に運用しているためコスト(信託報酬等)は少なくなります。
連動するだけでいいの!?と思われる方もいるかもしれませんが、
長期的にみると何れの指標も上昇しているため、連動するだけで問題ありません!
ただし短期的には下落する可能性はあります。
アクティブファンドとは?
アクティブファンドは、株価指数などの市場平均を「上回る」投資成果を目指すファンドです。
投資信託ではファンドの運用を担当する専門職(ファンドマネージャー)が業績・市場動向・景気などを調査・分析・予測しながら各投資信託に組み入れる「銘柄や比率」を決定し、ファンドが基準(ベンチマーク)としている市場平均を出来るだけ上回るように努めて運用します。
例えば、コロナショック時には航空業や旅行業の株は控えるように人間が調整しているため、インデックスファンドよりも投資効果が高いアクティブファンドもあります。(インデックスファンドはあくまで指標に含まれる株式等をそのまま購入するだけのため)その反面、人間が運用しているためコスト(信託報酬)は高くなります。
もともとはアクティブファンドだけだった?
もともとはアクティブファンドしかありませんでした。
話題のVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)を販売している米国バンガード社(世界的にも大手の資産運用会社)の創業者であるジョン・ボーグル氏が1976年に米国初の個人向けインデックスファンドを設定しました。これがインデックスファンドの始まりと言われています。
初めは機械的に選ぶのはどうなのか?と言われていたそうですが、インデックスファンドの方がアクティブファンドよりも良い運用実績を出す比率が高くなってからは見る目が変わってきたそうです。
インデックスファンドについて
一般に、インデックスファンドでは、ベンチマークと同じ投資成果を目指すために、ベンチマークを構成している全て、あるいは代表的な銘柄群を、ベンチマークの構成比率と「同じ比率で保有」することで、ベンチマークとの連動を図ります。
インデックスファンドのメリット
①信託報酬
投資信託協会による「公募株式投資(追加型)における運用管理費用(信託報酬)の状況」によると、2022年3月時点、アクティブ運用ファンドの信託報酬率の平均が1.14%(年)であるのに対し、インデックスファンドの信託報酬の平均は0.40%(年)と半分以下になっています。
②低コストで運用
基本的には組み入れた銘柄をずっと持ち続けるので、アクティブファンドのように市場動向や株価、あるいはタイミングを見て売買益を狙って組入銘柄の売買を行うことはしません!そのため、ファンドにとって大きなコストとなる証券会社に支払う売買委託手数料を低く抑えられます。ファンドの資産から支払うものなので、売買委託手数料が大きければ大きいほど、ファンドの資産は減少し、それに応じてファンドの基準価額も低下します。インデックスファンドのように、コストが抑えられているということは、その分、効率的な運用が可能であり、投資家の取り分が大きくなるということです。
③分散投資
個人の投資家が分散投資を行うにはどの銘柄を選べばいいか、どの国・地域に投資すればいいかも難しく手間もかかりますが、インデックスファンドでは特定の指数への連動を目指して、その指数が保有する銘柄のほとんど全てを保有するので、インデックスファンドを1本を保有するだけで、それだけで分散投資が可能となる点もメリットの1つです。
例えば、日経平均株価への連動を目指すインデックスファンドと同じように個人で投資するのであれば、日経平均株価を構成する225銘柄を日経平均株価の各銘柄の構成比率と同じ比率で全て組み入れる必要がありますが、1銘柄でも100株単位から購入となるため最低数万円×225銘柄となり、個人では現実的ではないですね。
インデックスファンドのデメリット
インデックスファンドは運用目標が指数に連動することを目標としているため、上昇時には有効ですが、反対に下落時にも連動して下落します。。アクティブファンドではファンドマネージャーが不調な銘柄を抑えるなど株式の組み入れ比率を下げて損失を回避することもあります。
アクティブファンドについて
もともとはアクティブファンドしかなかったため、選択肢は多いです。
アクティブファンドのメリット
指標を上回ることを目標としているため、よりリターンがより大きくなる「可能性」があります。指数が低下する時にはインデックスファンドは一律下落しますが、アクティブファンドは下落しないように特定の株式を手放したりファンドマネージャー(人間)の判断で調整が入るためです。
アクティブファンドのデメリット
アクティブファンドはより良い成績を目指すために、その分多くの調査や分析に必要となるアナリストなどのスタッフを含めた「人件費」が必要となります。そのため、インデックスファンドに比べて投資家が負担する費用が大きくなります。
この人件費は信託報酬等の額に反映され、アクティブファンドの運用成績がインデックスファンドを下回ることも多々あるようです。また、優秀なファンドマネージャーがいるファンドを見つけても10、20年後同じファンドマネージャーが在籍しているとは限りません。都度運用成績を確認して、悪ければまた別のファンドを探す必要があります。
インデックスファンドの選び方
今まで解説してきたとおり、初心者もしくは投資に時間をかけたくない方はインデックスファンドの方がオススメです。アクティブのように上回ることを目的としていないが市場自体が長期的には成長しているため、長期的には上昇することが期待できます。
まずインデックスから初めて投資信託のことを理解してからアクティブファンドへ挑戦で良いと思います。それではインデックスファンドの中でもどれを選択すべきか4つの観点から見ていこうと思います!
①過去実績
運用実績として安定していることです。1ヵ月など短期的に年20%だとしても過去は異なる可能性もあります。インデックスでは年4~7%程度を基本として大きな増減がないかを長期的にみる必要があります。年4~7%でどれくらい増えるかは↓をご確認ください!
②ファンドの資産残高
残高があまりに少ないインデックスファンドは、資金不足で銘柄の分散投資が困難となり、株価指数に連動するポートフォリオを作成できなくなるリスクがあります。純資産総額が30億円未満になると途中償還になるケースもあるので、あまりに残高が低いファンドは選ばないよう方が良いです。
③信託報酬
最重要かもしれませんが、手数料として投資家が負担する費用となります。
ファンドを保有している間はずっーと負担することになります。
インデックスファンドの方がアクティブファンドに比べて、信託報酬が低いです。(高いものもあるので、よく見て選ぶようにしましょう。上記「インデックスファンドのメリット」でも書きましたが、2022年3月時点、アクティブ運用ファンドの信託報酬率の平均が1.14%(年)であるのに対し、インデックスファンドの信託報酬の平均は0.40%(年)と半分以下になっています。
④販売会社の違い
視点を変えて販売会社によっても取り扱い投資信託や同じ投資信託でも手数料が異なることがあります。ネット証券(楽天証券、SBI証券等)の方が手数料は安いのでオススメです!
⑤主なインデックスファンドの種類
インデックスファンドの有名どころを4つご紹介します。現時点(2022/4/20)で公開されている目論見書の純資産総額順です。何れも投資対象地域は北米です。また、何れも購入時手数料・信託財産留保額は0円です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | |
指標 | S&P500指数(配当込み、円換算ベース) | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | S&P500 指数(円換算ベース) | CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース) |
委託会社 | 三菱UFJ国際投信 | 楽天投信投資顧問 | SBIアセットマネジメント | SBIアセットマネジメント |
受託会社 | 三菱UFJ信託銀行 | 三井住友信託銀行 | りそな銀行 | 三井住友信託銀行 |
投資対象ファンド | S&P500インデックス マザーファンド |
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | バンガード・S&P500 ETF | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
基準価格 | 18,163円 ※2021年10月29日現在 |
18,463円 ※2022年1月31日現在 |
15,552円 ※2021年9月30日現在 |
11,375円 ※2021年12月30日現在 |
純資産総額 | 7,394億円 | 4,537億円 | 3,200億円 | 511億円 |
運用管理費用 (信託報酬 税込) |
年率0.0968% 以内 |
年0.162%程度 | 年0.0938%程度 | 年0.0938%程度 |
※:CRSP USトータル・マーケット・インデックス:米国株式市場の大型株から小型株までを対象とし、投資可能銘柄のほぼ100%をカバーした時価総額加重平均型の株価指数。
※S&P500:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している、米国の代表的な株価指数の1つ。ニューヨーク証券取引所、NASDAQ等に上場している銘柄から代表的な500銘柄を時価総額で加重平均し指数化。